savage

コンパートメントNo.6のsavageのレビュー・感想・評価

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)
4.3
狭い寝台車で、寒々しいロシアの旅。
同室にはデリカシーのかけらもない粗野な男。
期待してた旅とは程遠く、空回りしながら北極圏へ。
人生の例えにも感じます。

旅をしているうちに、主人公の価値観が明らかに変化していくのが面白かったです。
孤独がテーマでもありまして、その孤独をしっかり受け止め成長したように見えましたね。

撮影が素晴らしく、観ているこちらはその風景を堪能しました。…実際は寒くて大変だろうな。
不便な旅ですが、寝台列車と車内食堂は魅力的。

微妙で複雑な胸の内をかかえた男女2人の繊細な演技がグッド。生々しい演技でした。
寝起きの寝癖がついたリアルな表情がいい。

非常に運命的で面白かったです。同室があの男でなく、毒にも薬にもならない人だったら、空回りのまま旅が終わってた可能性もあるし。
雪の中に凍りついてた目的地も、思うほど感動出来なかったかもですが、その苦労した思い出は忘れないでしょう。
寒いけど、熱いものがこみあげるいい映画でした。
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