さよこ

フラッグ・デイ 父を想う日のさよこのレビュー・感想・評価

4.2
【実話ベースらしくて2度おどろき😳】
父親のキャラ的にモヤりそうだなと思って、迷いながらも鑑賞。観てよかった!

🚙全体の感想
子どもから親への愛情の描き方や視点が素敵だった。子ども→大人になるにつれて、親を見る目がだんだん変化する様子はなんだか身につまされる思いだった。少年ぽさのある男性は若い頃はそれが魅力となってモテるけど、中年になると若さの免罪符がなくなって、ただのイタおじになっちゃうんだよね…と思いながら見てた。父親の周りから人が減っていく様子も妙に地に足ついた描写だなって思った。

🚙ショーン・ペンが凄い
若い頃から初老になるまでの20年間くらいを演じ分けているのが凄い。しかも少しずつ年を重ねていくから急に老け込んだとかがないんだよね。若い頃の顔はメイクのチカラもあるんだろうけど、どうやって全身を若返らせたんだろう。撮影の仕方が気になる😳

🚙好きな台詞
主人公がいう『beautiful…』のつぶやき。
台詞に込められた感情が、最初と最後で伝わり方が変わるのが好き。

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⚠️この先、ネタバレあります⚠️
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🚙親との関係
主人公が要所で『母親に求めるもの』を要求しているのが印象的だった。幼少期には「(呑んだくれの)ママとはもう暮らせない」と見切りをつけたり「子どもを守るのが母親の役目でしょ」と泣きながら親への役割を明示したり。ティーンエイジャーは往々にして自分の気持ちをうまく伝えられないことが多いなかで、主人公はきちんと言葉にして親と向き合い、なんて賢く、なんて優しい子なんだろうと思った。この映画では親から子への愛情よりも、子から親へのケアが多く描かれているように思える。

🚙好きなシーン
ママとの口論で『二度とわたしに手を上げるなよ…!!!』って啖呵切ってるの格好良い。けどこれができるのって、日頃から母親が支配的ではない・子どもに対して恐怖政治をしていない、みたいな環境条件が必要でもあるから、○○が引き金になったギリギリの精神状態での発言とはいえ、そこまでダメな母親ではなさそうと思った。男選びは下手だけど。ママ的には子どもに対して『衣食住』と『学校(教養)』があれば、子どもの将来の糧になると思ってる節があるし、たぶん再婚相手にそれなりの稼ぎのある人を選んだ気がする。ただ、この生活と子どもを守ることがトレードオフの関係のように考えていそうなのは残念ではある。がんばってアル中を克服したり、母親なりの努力が見えたので嫌いじゃなかった。再婚相手は最悪だけど、なんせ前夫があれなので、一度ダメンズにつかまったあとは基準値が低くなるのはまぁ…分かる。

🚙子どもからみた大人
・絶対に手を上げない父親⇔母親
・子どもと遊んでくれる父親⇔母親
・お酒に溺れない父親⇔母親
大人からみたらろくでなしな父親でも、幼い子どもからみたら良い思い出も多いし父親に懐くのも分かる気がする。どっちも少しずつ足りない親だし、主人公が軌道修正しようとする努力はすごい。

🚙その他、いろいろ
・弟には幸せになってほしい
・子どもにとって良いパパ⇔大人からみたダメな男
・車の鍵の渡し方、格好良い!シャーって!
・電話線なく話し続けるダディ。
・お上品=クラシック音楽という発想。
・フラッグデーに生まれた人への風評被害😂
・悪びれなく『非合法な手段』が選択肢のなかに入ってるのが価値観の根深さを物語ってる。イラストの仕事したらそれなりに稼げそうだけど、頑なに起業にこだわるのはビッグになりたいという成り上がりマインドからきてそう。がんばれ!
・若いときはモテても、年齢とともに虚構がバレて若い子から愛想つかされてるの好き。
・黒髪よりも地毛のほうが好きだな。

全体的に好きな作品ではあるものの、あとちょっとのところで泣けなかったのでこのスコアです🙏
さよこ

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