このレビューはネタバレを含みます
悲しい話だった
これが実話だから尚更悲しい
贋札は物語を形作る一つの要素でしかなく
親子の関係性の変化が描かれる。
アルコール中毒になった母より計画性のない投資をして蒸発した父の方がいいと家を出る姉弟は楽しいサマーバケーションを父と過ごす。
子ども想いの父親ではありながら人としてはダメな人で起業家という体のいい肩書きでのらりくらりと生活をして行き詰まったら全て燃やしてリセットする。
かっこいい父親はハリボテで、
徐々にその実態が見えてくる。
虚言と衝動に支配された父は真実の見えない幼子からすればかっこよかったけど、何度失敗を繰り返しても変わらない父とは違い大人になるにつれて世界が広がったジェニファーは変わっていく。
我が子のことを本当に想ってたからこそ
虚像でもいいから立派な父親でありたかったのかな
犯した犯罪への反省はなく、ジェニファーを失望させたことや一緒にいれなかったことへの贖罪として的外れに車を買い与えようとする姿は見てられなかった。
画面いっぱいに哀愁漂う映画だった。
寂しい物語だった。