ピンヒールすぐ痛くなる

フラッグ・デイ 父を想う日のピンヒールすぐ痛くなるのレビュー・感想・評価

5.0
「私は父が大好き 父も心を込めて構ってくれるけどまたどこかへ」

「父は姿を現しては消える…自分を認めてほしい時だけ会いに来た」

どれほど自分勝手で、いつまでも大人になりきれず、どこか責められない極悪人の父親でも、娘にとってはただ一人しか居ない父親。

"パパ実は犯罪者だったんかい"という事実を知った娘の葛藤を描き、家族の在り方を問う本作。
実在するジャーナリスト、ジェニファー・ヴォーゲルの回顧録『Flim-Flam Man: A True Family History』の映画化なんだと知り「じ、実話、こ、こんな人生、つ、つれえ」と上には上がいるなと唸った三十路。

しかしショーン・ペン、良い映画撮るよね〜。もう何度でも言いたいけど、マドンナとの結婚式で🚁に居るパパラッチに向かいチャカ🔫乱射したあの彼とは思えないんよ『アイアム・サム』あたりから。

ジェニファー役のディラン・ペンは彼の実の娘。でも、見た目ショーンっ気ないんだけどなんで?(失礼)とググったらえ、待って。私の愛してやまないロビン・ライトがマッマなんかい🙄(てかショーンとロビンは結婚してたんかいという)どおりで娘、美しくオーラがあるのかという小話。

さあ、本当の親子が"実在していた親子"を演じ切った映画。良作だった。
スコアは悩んだけど、何度でも不意に観たくなる映画になると確信したので5.0⭐️
芝居の中に「父を想う」「娘を想う」隠しきれない主演二人の中にしか漂わぬ"愛"を見た気がする。

最近、戸田恵梨香主演の『母性』という映画を観て、"母性"について大分考えさせられた。
その一方、"じゃあ父性って?"という疑問が生まれ、その疑問に対し新たな気付きや何らかのヒントを得たいが為、最近は自然と"父と娘"にフォーカスされた作品にばかり手が伸びる。

結局のところ完璧な親は居らず、親も弱いんだという解釈。
子が親の精神年齢を飛び越えてしまう親子って居て、まさにジョンとジェニファーがその親子そのものだなと感じた。
母親とジェニファーもそう。
精神的に不安定な両親を持ってしまったがゆえ強くなるしかなかったジェニファーと弟の葛藤を感受して辛くなった。

やはり血が繋がっているといえども、互いの気持ちを全て理解し合う事は残念ながら不可能ですねと家族に対し思いながらここ数年生きている私。

"「好き」「嫌い」"
"「離れたい」「恋しい」"
等といった裏腹な気持ちをいったりきたりしながら関係を築いていくって本当に面倒くさいし、もうやーめた一抜けぴーは簡単なようで難しい。
でも家族だから心の中が土砂降りの日でも火事の日でも、「コント 家族」をしないといけない日があったり、隣の芝生(友達の家族)が青くきらめいて見える日もあったりと、家族って親子って兄弟って何なんだろうなと考えない日はない。

父を持つ娘ならば誰もが共感する作品とは言えないが、この映画を観て父が尚のこと愛おしく思えたし、父と一緒に過ごせる時間を大事に大事に生きていきたいと思えた。

あーまたなっがいレビュー🙄
松本人志が映画のストーリーをいかに短く説明できるか訓練していたと聞いて、それ身につけたい!と思ったばかりなのにこれだよねー。

追伸
ジェニファー幸せになれ

▷MEMO🗒️
・『ショパン ノクターン20番』
・ショパンの魅力を力説する父 クラシックの魅力を子供に教える父いいな
・完璧な親は居ない、でも親の事情で子供を振り回しちゃいかん
・義母とマッマの距離感がわからん👹ジョン家族は嫁擁護派?は?
・祖母がマッマに言い聞かせてる息子(父)の悪口で目が覚める娘 地獄
・燃やす癖ってなんなん?心理がわからん 娘にも受け継がれましたけど
・マッマの再婚相手てめえは許さねえぞ
・はい母親毒親確定です😇
・どんなに憎んでいても子供の前で別れた旦那を非難したらだめなんよ
・ジェニファーの覚悟を持った時の目力が好き
・這い上がったジェニファーがすごい

▷残った台詞✒️

「私の父は血管に100回も注射を打って死んだ リハーサルを繰り返し本番を迎える…」

「命を絶つ方法は数知れない どれだけ選択肢があろうとも生き方が反映されるという」

「運転を覚えれば世界が広がるぞ」

「母は父を"ピーターパン"と呼んだ 無謀で衝動的な行動を"完璧な計画"と思わせる魅力があったから」

「荒れ果てた家をクラシック音楽や楽しさで満たし幸せな家族の家のように修復してくれた」

「彼にとって子供は猟犬 気が向いた時だけ走らせるのよ」「ママといるよりマシ」

「愛してるよ 忘れるな俺たちは同じ心を持っている 似た者同士だよ」

「ママこそ自分の子供を守ったらどうなのよ 私を守るのがママの役目でしょ?」

「だが医療の世界ではアルコールもドラックだよ 同じくタバコも」

「これは"新たな出発"よ リニューアルしなきゃ」

「履歴書だぞ 履歴書にはウソを書く 雇う側も承知してる」

「父にとって国旗記念日は全米が父の誕生日を祝う日 父は"祝福されて当然"と信じ"国の義務"とさえ感じていた」

「何ひとつ正当化なんかできない 母親にふさわしくない」そうだね。認められるだけマシだと思うわこのマッマ。

「ジェニファー・ヴォーゲル 大学を卒業 出席できなくて残念だ 脱獄できるなら行きたかったよ」

「お前を誇りに思う」「頑張ったな」これ娘が親に一番言って欲しい言葉

「父は自由を渇望していた」