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名探偵コナン ベイカー街の亡霊のnamugeのレビュー・感想・評価

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まあ、何度見たかわからんし、個人的にコナン映画で一番だと思っています。2番目は世紀末の魔術師かな。劇場公開当時に親と見に行き、小学生で一端のシャーロッキアンを気取ってた当時の自分は大興奮していた思い出があります。最近グラナダ版のシャーロックホームズ観ている最中なのでとても楽しめましたね。

その犯した犯罪の猟奇性、残忍性から数々の創作物のモチーフになり、現実離れした存在感を放つ実在の犯罪者ジャックザリッパー と、シャーロッキアンと呼ばれる人たちから今なお実在の人物のように愛され続ける空想上の名探偵シャーロックホームズ。共に19世紀のロンドンを舞台に活動した2人が仮想現実の世界で文字通り虚実入り乱れて両立しているという設定が楽しい。

悪は実在するのに正義の味方は物語上の登場人物だという設定はとても恣意的で、でもじゃあ物語は無力なのかというともちろんそんな事はなくて、あの日憧れた物語上のヒーローの言動は自分が行動する際の指針となり、自分が窮地に陥った際には自分の行く道を指し示してくれる。そんな作り手の思いが伝わってくるから、あのライヘンバッハのくだりは感動するんですよ。直後の人生という無色の糸のなかに〜の緋色の研究の引用の部分も最高。

アクション的にもチャリングクロス駅に突っ込むクライマックスなど見所たっぷり。
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