The Greek Film Festival にて。

事業に失敗して亡き祖父の家に住むことになったアリが、自身の失敗をエゴで隠そうとするうちに、それまで無関心だった家族や祖父について知ることになる。

祖父の名前と同じ名前で、英雄視された祖父の姿を何かにつけ重ねられるアリは、自分ではなく祖父のちからで無意識にプライドやいろいろなことを守ろうとしているように見える。

亡き祖父の親友との出会いが彼を変えていく。

無意識に他力の殻を被っていた彼が、自身の失敗やそれまでの人生に向き合い、家族との絆を取り戻す話。
だけど、終盤にある秘密が明かされて、もしかしてこれは姿を見せない祖父が裏の主人公だったのではないか？とも思えてくる。
(タイトルが｢故人｣｢引退・退役｣的な意味だった)

自分を大きく見せたくてあれこれやったがうまくいかない青年が本当の自分を取り戻す話に、知られざる祖父の話を絡めた、地味で静かながらなかなか面白い映画だった。