冷静に考えると非日常な展開ばかりなのに、なぜか何気ない日常に見えてくる不思議な映画だった。
登場人物たちがそれぞれ様々な事情を抱えていたとしても、決してお互いの過去を詮索することはなく、ただ"一緒に美味しいものを食べる"という、現実逃避とはまた違った人生の過ごし方がとても良かった。食だけで人々が繋がることのできるあの空間がひたすらに優しかった。ただ、私はその優しすぎる空間の外部にある現実の存在を捨てきれなくて、作品に上手く入り込めなかったかな〜。
些細なことがきっかけ(知らんけど)でフィンランドに行き、そのまま全然日本に帰ろうとしないミドリさんとマサコさんの心の余裕は本当に凄い。でも、私はどうしても、そう簡単に現実(日本)から離れることはできないと思ってしまって、正直羨ましいとさえ思わなかった。フィンランドの魅力があまり感じられなかったのもあるかも🤔だから、どの登場人物にも共感?できず、"日常に見える非日常"にもあまりハマれず、作品として悪くはなかったけど…って感じでした。
あと、今までお客さんが全く来なかったかもめ食堂が、最後凄く賑わってたのには若干の違和感があった(笑)トンミ・ヒルトネン(豚身・昼斗念)が毎日通ったから、シナモンロールを作ったから、窓越しに店内が見えるからなど、小さな要因が積み重なってのラストなのかもしれないけど、別にサチエさんたちが何か大きなことをしたわけじゃないから、満席にまでなったラストは少し不自然に感じられたかな…
謎い登場人物たち(窓越しに睨んでたおばさん・泥棒のおじさん、マサコさんに猫を預けたおじさんなど)には若干戸惑いを感じたけど、それ以上にマサコさんが癖強キャラすぎて面白かった!マサコさんの笑顔たまらなかったな〜🫶🏻スーツケースの中身にはびっくり(笑)そんなマサコさんを含む日本人のキャスティングは特に良かったと思う!3人ともかもめ食堂の雰囲気に凄く合ってた◎
魅力的だったのはもちろん料理するシーン!おにぎりを握るシーンとシナモンロールを作るシーンが特に大好きでした🫶🏻おにぎりを握る音や魚を焼く音、コーヒーをそそぐ音など、料理の音にもとっても癒されました🫶🏻最近は誰かの握ったおにぎりを食べる機会がめっきり減ってしまったから、是非とも誰かの握ったおにぎりが食べたいなと思ったし、自分もおにぎりを綺麗に握れる人になりたいなと思いました🍙
PS
声に出して読みたい言葉「コピ・ルアック」