Roxy

かもめ食堂のRoxyのレビュー・感想・評価

かもめ食堂(2005年製作の映画)
5.0
人生のヒントがいっぱい

フィンランドと縁がありつつ未だ観ていなかったこの作品を、この連休中に初めて鑑賞しました。一見ほんわかしたお伽噺の様ではありますが、人生のヒントが幾つも散りばめられており、仕事でも人間関係においても葛藤の多かった自分には結構参考になりました。

(1)他人の事情を詮索しない
(2)理屈でなく直感で相手の人柄を感じ取る
(3)成果がすぐに出なくても腐らない
(4)良い時も悪い時も日課を大切にする
(5)人とぶつかりそうな時は、客観的な言葉を選んでみる
(6)常に姿勢良く

あたりでしょうか。訳あり気な登場人物が、内に様々な葛藤を秘めながらも飄々としており、大人だなぁと感心させられます。時折突っかかってくる片桐はいりをやり過ごしながらも受け止める店主の小林聡美。そして謎のメタコミュニケーション能力を発揮するもたいまさこ。ごく稀にですが、こういう人達いますよね。

そして日本食にこだわって閑古鳥が鳴いていた店に客が入り始めたきっかけは、北欧の国民食みたいなシナモンロール。一旦こだわりを忘れ、ちょっと遊んでみることで流れが変わる時ってあるよなぁと共感しました。

あと、もたいまさこの荷物が遂に届き、黒い巨大なトランクをまかっ!と開けた時、てっきり凄い武器とか金塊とか出てくるのかとワクワクしていたら、なんとぎっしり詰まった例のブツ。吹き出しました。

観終わって幸せな気持ちになる、世界の片隅にひっそりと咲く野の花のような作品です
Roxy

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