オヂサン

かもめ食堂のオヂサンのレビュー・感想・評価

かもめ食堂(2005年製作の映画)
3.8
おにぎりを食べるあのシーンが脳に響く。本当に冗談抜きで美味しそうだ。日本食良きかな。

「日本で無理に定食屋さんやらなくてもいいかなって…」
「フィンランドといえばサーモン。
日本の朝ごはんの定番といえば焼き鮭。
だったらきっとここの人も素朴な味を分かってくれるかなと思って」

思わず、成る程ねえと大きな声で呟いてしまった。そんな考え方した事がなかった。非常にステキな考え方。一見無謀にも見えるんだけどそれを行動に移せる事自体が凄いのですよね。現実的なことを言えば資金の事もあるし、普通は中々行けない。

この映画の良いところは決して人を否定することがない所。片桐はいりの役は少しチクッと言うくらいで、最初の一度はその人の話を聞いてみる。そしてやりたい事を「いいんじゃないですか?あなたらしくて」と肯定してくれる優しさがある。

小林聡美さんのこのざっくばらんまでいかない砕けたサッパリした人柄が、たくさんの人の心を溶かしていくようでこんな人に出会えたら皆万々歳だなと思えてしまう。今の時代にこそ居て欲しい貴重な存在。

片桐はいりがいい味出してる。もっと知ってもらいたいんです、と言っていろいろ試して「頑張ってれば、分かってくれる人がいますよ」「なんとかなりますよ〜」と受け流しているようでドシっと構えている小林聡美さんが素晴らしい。
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