柏エシディシ

ヴィム・ヴェンダースプロデュース/ブルーノート・ストーリーの柏エシディシのレビュー・感想・評価

3.0
「もっと"シュ"イングして!!」
ブルーノートレーベルの創業者アルフレッド・ライオン、フランシス・ウルフを中心に、その創成期とモダンジャズの黄金時代を振り返るドキュメンタリー。
未だなお健在どころか、ロバート・グラスパーやノラ・ジョーンズを擁し、トップレーベルに君臨している現代までを俯瞰するには2018年「ブルーノートレコード/ジャズを越えて」の方が詳しいが、こちらは創業者コンビの為人や背景により迫った構成。
豊かな才能に関わらず不当に虐げられた黒人ミュージシャン達とナチスドイツの追及を逃れてアメリカに亡命したユダヤ系としてのアイデンティティとシンパシーがひとつの奇跡をうむ。
もしかしたら、ブルーノートというレーベルが無ければ、ジャズという音楽の今日のここまでの世界的な根強い人気は無かったかもしれない。
"壮大な自由主義の実験場"アメリカへの憧憬。プロデューサーのヴィム・ヴェンダースにもシンクロするものも感じる。
ひと昔まえのTVゲームのデモムービーの様な再現CGが少し雰囲気にそぐわず脱力するものの、往年のジャズレジェンド達が懐かしい友人の思い出を忌憚なく語る姿に嬉しくなる。
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