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牛首村のymmtdiskのネタバレレビュー・内容・結末

牛首村(2022年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

 恐怖の村シリーズの3作目。廃墟であり有名な心霊スポットである富山県の「坪野鉱泉」と、石川県と富山県の県境にあり同じく心霊スポットの「牛首トンネル」を題材にしたストーリー。徐々に山村の古い因習や土着信仰がわかっていく、という恐怖の村シリーズいつもの流れ。
 『犬鳴村』のストーリーは好きだったけど、『樹海村』はそんなに好きではなかったので、今回はどうかと思ってたけど、ストーリー的にも登場人物の機微の描き方もよかった。ホラー要素としてはスプラッタやゴアは少なめ、おかしくなった人の描写はありといった感じで、恐さとしてはやや控えめかも。
 主演がKōki,ということでも話題になった映画。

 感想は箇条書きで行きます。以下はネタバレ考慮せず。

- エレベーター開けたら天井に叩きつけられて落ちていく演出はなかなかに鮮烈ではあった。物理法則を無視しているけど、まあ霊障だもんね。
- アッキーナ、今回も死んでしもうたんね。
- 画面の端に映り込んだり、鏡や窓への映り込みなどが多用されていて、気づいてびっくり、というのが多い。
- 清水崇監督、飛び降りのリフレイン好きだなぁ(映画『犬鳴村』でもあった)。
- 山崎さん(松尾諭)の最期になるシーンが結構好きで、上半身だけ残る演出、久しぶりに見た気がする。しかもエレベーターで真っ二つ((一番古い記憶では映画『スウィートホーム』なんだけど、ソフト化されていない。))。
- 綾子が取り違えられる流れは、さすがに両親は気づくだろう。
- 牛首村のみんなが「忌み子=双子」であったことを示唆する流れもよかった。振り返って、序盤の蜃気楼のところでも2人1組なんだよな。
- エンドロールのキャストを見ると、本当の双子を起用しているようでそのことにもびっくり。
- 「ひとりぼっちじゃかわいそう」と綾子の依り代になった詩音を抱きしめて崖から飛び降りる流れ。冒頭の蝶の回想とも繋がっているし、将太も一緒に飛び降りるのも彼の人柄を表しているようでよかった。でも、その回想と繋げると、どちらか片方を故意に殺しているイメージにも繋がるんだよな。
- 最後に綾子が出てきて「ひとりぼっちじゃかわいそう」っていうのは、バッドエンド的な余韻を残していて良い。

 以下は特に雑感。

- 雨宮奏音と三澄詩音の二役にKōki,、結構良かった。綴りが面倒くさいのであまり打ち込みたくはない、コピペ推奨の名前だなあ。
- 香月蓮役に萩原利久、倉木将太役に高橋文哉((仮面ライダーゼロワン。))と、両サイドを固める俳優もよかった。
- 綾子役の芋生悠、ホラー演技めちゃくちゃよかったよ。プロモーションはメインの3人が回っていたと記憶しているけど、役どころを考えるとさすがに出せないか……
- 父親役はココリコ田中、母親役は堀内敬子。この二人には安心した。
- 祖父役に麿赤兒。麿赤兒がこういう雰囲気の映画に出てくると説得力が強まる。
- 坪野鉱泉に関連した少女失踪事件は実際にあったもの((Wikipediaに記述有り。))。そのあらましはこの映画のストーリーには取り込まれていないように思うけど、いや、でも実際にあったと知ったときはゾワッとした。
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