マーくんパパ

悦楽のマーくんパパのレビュー・感想・評価

悦楽(1965年製作の映画)
3.5
色々な不条理ドラマを詰め込み過ぎて失敗したなあ。かつての家庭教師教え子の清純令嬢を悪の手から影で救い殺人まで犯したのに報われず娘はそんな事も知らずに他者の花嫁になってしまう虚無感、そこへ現れた公金横領の官吏が男の秘密と引き換えに受刑中の間、横領金3000万円の保管を頼まれる。希望の絶えた男はこの金を官吏が出所してくるまでに悦楽に使い切り死んでしまおうと次々と女遍歴を繰り返す…。この設定は悪くないがよくもまあ人生覚悟の悦楽巡りに選んだ女運の悪さで地獄の遍歴模様、相手の質も落ちる一方おまけに獄中秘密を知ったヤクザに脅迫されたり憧れのマドンナ嫁ぎ先の倒産で金の無心を受けた末に警察に公金使い込みを密告されたりの踏んだり蹴ったりの結末。悪銭身につかず、使い方を知らない男のさもしさか令嬢に得られなかった悦楽と愛を金で求めて共に得られない悲しさ。コケティッシュな加賀まりこの出演シーンももっと欲しかった。