ちょっと良すぎた。
淡くて繊細な映像と音楽が最高、たまらなく好きな空気感。なんか、いるはずのない撮影者がハンディカメラで撮ってるかのような。不意に寄ったり引いたり、ブレたり揺れたり、少年少女の逃避行をさながら追うドキュメンタリーのようにも見えた。
一見普通でも精神的な病を持つ少女グロリアとぞっこんのポール。これが愛かどうかは分からないけど、思春期の向こう見ずで危なっかしい恋の様子にちょっと脇腹を刺される気分。無計画で無謀な逃避行なのに何故か見ていられる居心地の良さが不思議でしょうがなかった。多分音楽と映像。あと美少年、美少女の2人の演技。どう頑張ったって不幸な結末しか考えられないのに、希望を見出そうとしちゃう。子どもだけの絶対的な楽しい世界はあるけど、結局は大人が入らないとどうしようもないことになっちゃうよねぇ。制御が難しくなるグロリアに尚も無償の愛を送ろうとするポールが健気、強い。
自然の中で、徹底して目立つグロリアの赤が印象的。まあとにかく自然ごと捉えた映像の美麗さが好み。超良い。青春映画《変わり種編》の個人的傑作としておこう〜。
ベルギー闇の三部作の3作目らしいけど、これしか見てない。単体の映画としてめちゃよかった。前2作は名前のインパクトが強くてちょっと見るの躊躇っちゃってる。いつか見てみよう！
