おにおに

アリスとテレスのまぼろし工場のおにおにのレビュー・感想・評価

4.4
MOVIX川口で鑑賞。

核心的なネタバレはないですが、ネタバレ含むかもしれないところは「ここから先はみてはいけません!」の壁をつくります。
そこまでは読んでいいです。

ただ、ほんの少しでもネタバレが困るひとはそもそもここから先もみないでね!

結論からいうと自分の期待値ハードルの予想以上に良かったです。
少なくとも「君たちはどう生きるか」よりはよっぽど「君たちはどう生きるか」だとおもうし、絵とか音とか込みでも「君の名は」「天気の子」にもひけをとらないアニメ映画だと思います。

見終わったとき、「これは今年暫定No.1!」と思いましたが、「BLUE GIANT」が今年の1月だったんですねぇ。
それがあるので、迷うけど惜しくも今年暫定No.2かなぁ。

なんですが、繰り返しますがとてもよかった!
よかったよー(´Д`)


予習なにもなしで鑑賞。
予告編でちょっと気になったので観てみようかなぁという感じでした。
絵とか音がすごい良さそうだなぁというのは予告編のときにおもいました。
加えて主題歌があのみゆきちゃんですよ!なくらいの予備知識。

ただねぇ、「アリスとテレスのまぼろし工場」というタイトルがどうにもいただけない・・とおもうんですよねぇ。
こういうタイトルの映画は怪しいんです。なんとなくこれまでの経験値から・・ディズニーっぽくて正直アウトです。
(すみませんねディズニー映画アンチで)
だいたい「アリスとテレス」ってなんだよ。ギリシャの哲学者かなんかですか?

じゃないですか?

ていうこともあって、たぶん劇場で観なかったら一生見なそうとも思ったので・・というのはあった。

ストーリーはおろかあらすじも全くわからないまま見始めました。
序盤はちょっとエロがはいって、キャラもなんか中二だし。少し怪しげで。
「はずれかも・・」とは序盤の時点では正直思いました。

なのですが、見ているうちに割とすんなりその世界観が理解できて、入っていけて。
そしてそして入っていったら、どんどん引きずり込まれて入り込んでしまった感じ。
いろいろなにがどうなっているんだ?っていうような不思議な世界で不思議な話なわけですよ!
それでもだんだんそれが紐解けてきて、これからどうなって最後どうなるんだろうという。
最後の最後まで没入できて、最後の最後の盛り上がりのクライマックスもそれはそれはよかったです。


以下ネタバレ含むかも知れないのでこれから見る人はここまで!!



いいですか?




いったからな?




↓↓↓それではどうぞ



最初から思っていたのですが、やけにレトロですよね街並みが。
あの感じは遠く懐かしい記憶にある感じなんですよ。

広島県呉市。祖父母がいて、子どもの頃、毎月1回は行って、いろんな場所に連れていってもらいました。
商店街とかね、バス停とか、港の感じとか、レトロなゲームセンターとか・・・鉄道、製鉄所も。
「世界が平和でありますように」のあのちっこい看板、なぜかどこにでもありましたねぇ。

家の感じ、部屋の感じも!ああいう模様のラグがあったりね、学習机に下敷き的なものが必ずあってね。
台所にはパロマの瞬間湯沸かし器、ああいうのがあっただよ。昭和50年代の感じですねぇ。

呉はすぐ山なので呉ではないと思いますが・・モデルはどこかは存じ上げないのでこれから調べてみるつもりです。
昭和50年代60年代、平成1桁くらいの地方都市だったら、どこもあんな感じだったでしょうね。

「なんでそうなのか(=レトロなのか)」は話が進んでわかりました。そういうことだったのね。
そして「まぼろし工場」のタイトル回収も、明確にはなかったけれどだいたいそういうことね、と理解できた。


中学生くらいの恋愛の機微は甘酸っぱいですねー
新海誠もこういうの好きでよく描いているとおもいますが、この作品をみたら新海のはファンタジーですね。
こっちのほうが生生しいというか・・けっこうリアルさがあってよかったと思います。
そしてそれだけになかなかぐっときた。

若者が現代日本に抱く時代の閉塞感のなかで、「おれをここから出してくれ!」と叫びたいけど叫べない!変わりたいけど変われない、変われるのに変わろうとしてないみたいな、そういうメッセージのようなもののほのめかしもあったりしたんでしょうねこれは!(感じるひとは感じてくれ!

終盤に向かって畳み込んでいく感じも、無理があんまりなかったし(「まぼろし世界だから」でどうにでもなる)、「そうはならないだろ」というひっかかりも致命的なのはなく(映画だしね!)、終始すんなり劇場の目の前の世界にどっぷり入れて、めっちゃ盛り上がって!

しみるラストがあって・・・

みゆきちゃんのエンディングソングが流れて・・・

「あーーーいい映画をみたなあ」っていう心地よい読後感がありました。

クライマックスはちょっとだけど泣けた。


パンフはいつも「観て良かったら買う」ようにしてるのですがレイトショーだと閉店で購入できないんですよねー。
次回、劇場にいく機会があったときに買いたいと思います。


★は最近みたアニメ映画のなかではかなり高いほうです。
新海でいうと「すずめの戸締まり」「秒速5センチメートル」よりは下だけど、「君の名は」よりは上。「天気の子」は好きなので、ちょっと甲乙つけがたい感じ。
細田でいうと「時をかける少女」より上かというと迷うけどそのほかの細田作品よりは上でいいです。

というところで・・★4.4!
でお願いします!
 
おにおに

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