このレビューはネタバレを含みます
岡田麿里監督の作品は今までも見てきたけれど、
これもとてもよかった。
変化には痛みが伴って、好きと嫌いは矛盾ではなくて。
色んなことを知れば知るほど、白黒はっきりできないグレーなことが増えていくのは僕たちの生きている現実と密接に繋がっている。
世界が変わらない、変われないことに不満を抱きつつも終わりがあるとわかると恐怖を覚えたりするのがとても人間らしくて良かった。
感情の発露が表情や行動にとても表れていて、特に睦実は際立っていた。
睦実と正宗のキスシーンもとても良かったし、
そうかと思えばキスしたくらいで調子に乗らないでくれる、って。
ラスト間際の列車のシーンもそうだけど、
男性作者が主人公に自分を重ねるように岡田監督も睦実に対するキャラクター造詣の深さを感じた。