Gipsy

モガディシュ 脱出までの14日間のGipsyのレビュー・感想・評価

4.2
<ザ・キュリー夫人作戦発動>

幼い頃にいくつか伝記漫画がうちにあった。記憶に残っているものをいくつか。

<コロンブス>
彼が卵をテーブルに軽く打ちつけ立たせて見せる「コロンブスの卵」をここで覚えた。

<野口英世>
学生時代に伝記映画『遠き落日』でボロ泣きしたような記憶がある。今観たらどうだろうか。母演じる三田佳子の次男のことを思ってしまい、そんな気持ちになれないかもしれない。
そういえば私は大学の時に、福島の生家にも行った。これが手の怪我をした囲炉裏か、と。

<一休さん>
ラストは、年老いた一休さんにすごく若い綺麗な愛人だかお手伝いだかができる、というものだった。
「なるほど、男っぷりが一級さんってことか」なんてことは子供の時分の私が思うはずはないが、何だかエッチだな〜、とは思った。

<ヘレン・ケラー>
ずっと後になって、妹が持っていた『ちびまる子ちゃん』を読んでいた時に衝撃を受けたことがあった。父ヒロシとまる子がヘレン・ケラーの話をした時に、ヒロシがまる子に「お前だって、バカ、アホ、マヌケの三重苦じゃねーか」と言うのだ。さくらももこの、あの倫理観を突いてくる感じに最初にハッとさせられた瞬間かもしれない。

<キュリー夫人>
”ポーランド人はロシアが嫌い”というぼんやりとした印象をこの伝記漫画で持った。
(ちなみに2012年のサッカー欧州選手権、決勝トーナメント進出がかかったロシア対ギリシャ。ギリシャが勝った時にポーランド人が喜びを爆発させていました)

キュリー夫人で最も記憶に残っているシーンは、学生時代のエピソード。
貧乏で冬に暖房の燃料を買うお金がなく寒さで眠れない彼女が、本を布団の上に乗せて少しでも暖かくしようとしていたこと。


『モガディシュ 脱出までの14日間』のクライマックスでは、キュリー夫人以来の本の新しい使用方法が提示される。

私と同じく「おー!キュリー夫人みたいじゃん!」と思った人、いたら手を挙げてください。


メモ:
・終盤の車のシーン、どうやって撮ってんの、と思わされる臨場感溢れるカメラワークで恐すぎ。参りました。
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