さすらいのエマノン

モガディシュ 脱出までの14日間のさすらいのエマノンのレビュー・感想・評価

5.0

「1990年代初頭、国連加盟を目論みアフリカのソマリアでロビー活動に勤しむ南北の大使たちがクーデターに巻き込まれ、力を合わせて脱出するお話しを映像化したい」
普通は、このような企画を立ち上げようとしても、まずは却下。せいぜい、小説やマンガで実現させるのが関の山でしょう。
が然し、韓国映画は違います。モノの見事に実写化させます。それも大規模なロケーション、現地(モロッコ?)のアクターや、映像スタッフ達と連携を取って。
しかも、度肝を抜くような政治的サスペンスアクションに仕上がっています。こんな映像体験が出来るのだから、韓国映画から目が離せません。
一体、どうやって撮影したのか???の連続が続きます。VFXを効果的に多用して、説得力のある映像を創り上げているのでしょうが、素晴らしかったです。特別音響上映で観ましたが、それも相まって只々、圧倒されっ放しでした。
反乱軍や政府軍のカラシニコフがライフル弾の雨あられを撒き散らす中、脱出を試みる為にベンツを使用します。勿論、防弾装備等無い普通車です。(どうするのだろう?)すると、北の大使から驚くべき提言が……!!
もう、嘘でも何でもツッコミ入れる余地もなく、ぽか~んと口が半開き状態になりました!
兎に角、凄いものを観てしまったのですが、南北融和をテーマに据えている為に、創り手達がナーバスになったのだろうと推察しますが、ヒューマンドラマ的なエッセンスがやや、不足気味。
が然し、そんなマイナスポイントを補って余りある超一級のアクションサスペンス映画でした。絶品。