stand.fmのこころさんが、5.0の評価をつけているので鑑賞した。文句なしの傑作だった。
ソマリア内戦に巻き込まれた韓国と北朝鮮の大使館員たちの生死をかけた脱出劇を描いた実話。
韓国映画のすごさをまざまざと見せつけられた。
同国内の国民が政府軍、反乱軍として衝突するソマリアで、互いに反目しあっていた韓国と北朝鮮の大使館職員とその家族が、この国から脱出するために協力せざるを得なくなるという、何とも皮肉な話だ。
こころさんが、しきりに「どうして撮ったんだろう」と言われていたが、気持ちがよくわかる。群衆もそうだが、政府軍、反乱軍、セリフがある黒人全て、本当に演技がリアルなのだ。いや、これは演技には見えない。それぐらいすごい。
(この監督が「軍艦島」の監督と知って、この部分が恐ろしくなった。あまりにリアルすぎて、これが現実だと思ってしまう。軍艦島のような誇張があるとすると、北と南のためとはいえ、それはソマリア国民を誤解しかねない。映画の怖さを感じる)
南と北の信頼関係は、南北分裂から、これだけの年月が経てば、もう人間性さえ信じられないところまで教育されていることが、このストーリーの中で、しっかり描かれている。
「ありがとう」も言えないのだ。最後まで疑っている。なんと馬鹿馬鹿しいことだと思うが、それが現実なのだろう。
韓国サイドで作った映画だから、北は助けられる立場。北がこの映画を見ればそこは自尊心が先に立って、素直に観れないに違いないし、また、逆のストーリーにすれば韓国の方が認めないのだろう。つまらないことなのだが。こんな映画を素直な気持ちで観れるようになれば、南北統一も夢ではなくなるのだが、それは甘すぎる話だろう。
2021年作品
監督:リュ・スンワン
レビュー書くために調べると、この監督、例の「軍艦島」の監督だ。
「それは困った。」寅さんの御前様風にー
キャスト:キム・ユンソク、ホ・ジュノ
2023.03.14視聴112