予想外にも、南と北の物語だった。
全然知らなかった。
内戦の恐ろしさが身に沁みた。
あんな風に突然始まって、
暴力の渦に巻き込まれていくなんて。
腐敗した現政権を倒し、より良い暮らしを求めるための戦いなのだろうが、
若者やまだ幼い子どもが銃を持ち、
ただ闇雲に撃ちまくる姿からは、
なんの正義も感じ取ることができなかった。
キム・ユンソクとホン・ジュノという、
これ以上ない配役。
チョ・インソンとク・ギョファンの2人も
役にぴったりだった。
無事にモガディシュを脱出し、それぞれの国に保護される時、最後の最後まで彼らは視線さえ交わすことはない。
南と北。
同じ民族が分断され、敵対し合う悲しい運命を想う。
手に汗握る脱出劇だけでない、
深い余韻を残す作品だった。