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戦場のピアニストのbumbuのレビュー・感想・評価

戦場のピアニスト(2002年製作の映画)
4.5
罪の無い人が理不尽に殺されていく。さっきまで生きていた人が、さっきまで話していた家族が、自分の目の前で殺されていく。どんなに怖かっただろう。二度と繰り返されてはいけないのに、今も戦争は無くならない現実に目を背けたくなる。

差別が当たり前で敵を殺すことが当然の時代に、シュピルマンを助けたヴィルム・ホーゼンフェルト大尉は、非常に人道的で賞賛されるべきなのに、悲しい最期を迎えた結末から戦争の悲惨さを痛感する。大尉は徴兵されるまでは高校の温厚な先生だったそう。あの映画の中でもドイツ語のセリフではシュピルマンに対しては、敬語を使っていたとか。

人はあっさり死んでしまうけど、ひとりひとりに物語があって人生がある。たった1人の声では届かないかもしれないけど、映画や音楽、美術で歴史を残して語り継いでいくことの重要さに深く触れた気がする。とにかくこの作品が、この先も1人でも多くの人に届きますように。
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