キマイラ

戦場のピアニストのキマイラのネタバレレビュー・内容・結末

戦場のピアニスト(2002年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

ユダヤ人であるウワディスワフ・シュピルマンはピアニストとして活躍していた。しかし1939年9月、その生活が一変する。

非常に良作。

しかし、ユダヤ人迫害の歴史を描くというよりは、ユダヤ人ピアニストであるシュピルマンが希望を捨てずに強く生きたという話が描かれているため、ドラマ性の強い作品となっている。

特に電車で絶滅収容所に連れて行かれた家族、シュピルマンが隠れていることを良いことに、彼の名前を使って金儲けをした男、助けてくれたドロタなど、関係してきている人々のその後が一切描かれていないところに戦争や迫害のリアリティを見出せた。

このように作品にリアリティを出せたのは、シュピルマン役のエイドリアン・ブロディの演技、役作りのおかげでもあるだろう。

最初の健康的なシュピルマンが迫害で憔悴して痩せ細り、最後には涙が出そうになるくらい痩せ細り頬もこけてしまう役作りには脱帽。時が流れるにつれたシュピルマンの心情の変化を的確に捉えて演じているように見えた。

私たちはこういったことが実際に起きていたこと、シュピルマンが実際に生きていたことを忘れてはいけないだろう。
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