Maru

戦場のピアニストのMaruのネタバレレビュー・内容・結末

戦場のピアニスト(2002年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

主人公がこの時代に起こったことをただひたすら見つめ続けているように感じた。
感情を描写するシーンは少なく淡々と何が起きていたのかどんなことがあったのかを伝えてくれる作品
監督自身が幼少期に体験していたからこそゾッとするほどの狂気、目を背けたくなるほどの冷徹さを感じられる
動と静で分けるなら前半は動、後半は静でひたすら息を潜ませ隠れ家で生活する孤独を描く、その中で唯一ともいえるドイツ兵の前で演奏するピアノが静かに染みた
ピアニストと題名に入っていながらピアノを演奏するシーンは少ない、しかし、心の中でどんな時でも支えになっていたことは間違いないだろうと感じた
全てを失っても音楽に救いを求める
久しぶりに楽器を演奏したくなる映画だった
ナチスが悪くユダヤは悪くないという構図ではなく、ナチスに所属していながらユダヤを救った人がいて単純な善悪構図に捉われない作品
主人公がドイツ兵に救われてドイツ兵が神に感謝せよ?みたいな返答をした時、人は大きな流れに逆らうことはできないけれど、その流れを作り出すのもまた人間であると感じた
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