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THE MOLE(ザ・モール)のhidehiのレビュー・感想・評価

THE MOLE(ザ・モール)(2020年製作の映画)
4.3
2021/11/10 鑑賞。
この映画は3種類の楽しみ方があると思う。
ひとつは、フィクションかノンフィクションかを気にせずにこのまま”ちょっと変わったスパイ映画”と楽しむ見方。派手なアクションはないが、それなりにサスペンスを感じつつ楽しんで見れると思う。
次に、体験型ノンフィクションというか人間観察型ノンフィクションというか、まったくの素人がスパイをやってみるとどうなるか、という見方だ。少なくとも企画の初期段階では、まったくの素人がスパイを始めている。画像も音声も、ほとんどのケースでは鮮明だ。ほとんどの画面では表立った緊迫感はないが、状況を考えるととんでもないことの現場にいることがわかる。まぁ、とにかく素人がいきなりスパイをやってどんなことになるか、興味深く観れることは間違いない。
そして最後に、まったくの社会派ノンフィクションとして、北朝鮮というのがどんな国家でどんなことをしているのか、を知る、という見方があるだろう。これはもう本当に驚天動地というか、なんとなくそんなこともあるかな、と思っているかもしれないが、おそらく想像以上のリアリティがあると思う。見ているあいだはわからなくても、ごく日常的にこういうことが行われているんだな、というだけでも、よく考えると恐ろしいことなのだ。主人公が「飄々としている」というような評があるが、”向こう側”の人たちこそ飄々としている。もうまったく日常的というか、普通の”お仕事”なのよね。
しかし、見終わって考えるに「軍事研究がー」みたいなことを言っている自民党のセンセイがたは、こういう、兵器などのノウハウをためて海外に売っての商売や、国会などでの議論なんかまったくせずにカネになることはばんばん実行に移せ、”国”のやることならどんなことも法では取り締まる必要がない、こんな体制を目指していると、普段の言動から言えないだろうか…?! 「目指す体制が北朝鮮」になっていないか、ちゃんとチェックが必要だよなぁ、と思ったりもした。
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