アノ

ジャッカーのアノのレビュー・感想・評価

ジャッカー(1988年製作の映画)
4.8
「家族を殺され誘拐された少年が険悪な関係の殺し屋2人を車中で出し抜こうとする」というプロットからもう素晴らしく、演出も全く負けていない。脚本家上がりの監督として最良の仕事がなされている。
ロイ・シャイダーとアダム・ボールドウィンがお互いに軽蔑しあうことで三竦みの緊迫感に満ちた構図を作りつつ、窮地に陥れば冷酷なプロとしての振る舞いをこなしていくのが映画を引き締める。ガキに翻弄されるだけのバカにはならない。検問を物凄い力技で脱出(前方車の赤ん坊に銃口を向けてニタつくボールドウィン!)した後、パトカーを爆発炎上させて車の列をライトアップするショットの凄まじさには涙が溢れるほど興奮した。
車がパンクして逃げ込んだ先が巨大な機械がゆっくりと動いている平原で、そこから血みどろの殺し合いが始まるのが激熱。バックスクリーン越しにゾンビのように迫ってくるボールドウィン、追いつめられて激情を見せだすシャイダー、育まれる奇妙な友情、最高。
締めも死ぬほどクール。参りました。

序盤で殺される警官、ちょろっとしか行動はかかれない中、強い正義感を持つ男でことがしっかり感じられる。きめ細かい。
アノ

アノ