『悪意がヒトを生かす、現代のサスティナブルウォー』
既存の社会体系を脅かすポストヒューマンと公安9課の戦いを描く「攻殻機動隊」劇場編集版は、持続可能戦争の失敗で人類共通の敵が台頭するという鬼面白い設定のオリジナルから、ヒューマンドラマの新星がエモの化学反応を起こすSFアニメーション映画の傑作。
メディアに小金を回収させるだけの私刑がコントロールされるという未来への展望にワクワクし、力に選ばれた少年のダブルトラウマをクロスカットで重ねる編集手腕に藤井印を感じ、それでもトップに立つべき者の気概をクライマックスに持ってくる構成はもっと藤井印。
超ウィザード級を弾かれ「こいつは人間じゃない!」と叫ぶ少佐は劇場で聴くと最高に痺れるし、素子ではなくトグサを叫ぶバトーさんらメンバーの激渋アンサンブルに耳が幸せだが、ここ数週間恐山で僕を悶絶させている林原めぐみさんの少年演技はちょっと別格だ。
鑑賞記録
2024.11.4
NETFLIX 日本語字幕