このレビューはネタバレを含みます
衝撃的な映画でしたね。食料確保のために命を懸ける男たちの姿はなかなか観れるものではない。
海には鯨やマンタだけがいる訳ではなく、普通の魚介類を獲ればそれなりの生活できるはずであるが、そこは彼らの伝統があるためにどうしても鯨を捕まえなければならない。そのために命を落としたとしても。
ハッキリ言って狂っている。泳いでいるマッコウクジラに銛を突き刺すなんて濱口でもやらんわ。マッコウクジラ以外にも巨大なジンベイザメやマンタを相手にするなんて21世紀の人間のすることではない。
それにバリ島に出稼ぎに行くことも出来るのだから、あえてここに残って鯨狩りをやるってのは凄いよね。伝統ってこうやって受け継がれていくのだと感じる。動物愛護だとかそんなのじゃ否定出来ないのさ。
また彼らのタブーも興味深い。狩りの時期は家族と不仲になってはいけない、と結局原点は家族にあるところがやっぱり伝統ですね。1人じゃどうにもやって行けない。
終わった後に監督が舞台挨拶に来てくださいました。撮影方法の進化やその苦労、現地の人々との関わり、そして監督が受け持った使命。熱く語ってくれました。作り手のリアルな想いを聞けるのも良いね。