たしかに「美しい映像」「珍しい映像」は沢山あるけども…映画としてどうなのかと言われると厳しいのではないか。音楽は明らかにトゥーマッチだし、何より銛を鯨に突き立てるシーンがほぼ全てスローモーションなのは、映像のダイナミズムを信頼していないのではないか。ドローン撮影も多すぎると感じた。タイトルバックと鯨漁のシーン、ラストカットくらいに留めたほうが効果的だったと思う。監督の長年の密着取材には敬意を表するが、どうしても「映える」映像を集めました感が拭えない。
ダメというわけじゃないが、鯨を扱うにあたってここまで政治的な視線が排除されているのにも個人的には違和感がある。失礼ながら、上映後のトークショーの途中で席を立ってしまった。
