劇作家フロリアン・ゼレールによる家族三部作の一作。前作『ファーザー』に続いて自ら監督している。お話に連続性はないが、『ファーザー』を観ておくと「オッ」と思えるところがある。
とても切ない。
とにかく辛い。
取り返せない喪失。
難しい思春期。
親の心子知らず。
子の心親知らず。
完璧な人間なんていない。
完璧な親もいない。
完璧な子供もいない。
自分の息子。
自分も息子。
生育で刻まれたものは、望むと望まざるとに関わらず受け継がれてしまうのか。
理想と自己とのギャップ。
役者陣の演技は見事の一言に尽きる。
なのだが【ほぼリハなし】に驚愕。
登場人物の造形は見事。
計算されたカメラワークにも恐れ入る。
見せるべきもの。
あえて見せずに考えさせるもの。
劇伴はハンス・ジマーだった😮
『ファーザー』と違って当作では屋外でも撮影してたが、極めて印象的だったのはやはり室内で繰り広げられる劇だった。
ラストは予想できつつも、あの演出は非常にずるい(褒めてます)。