叡福寺清子

The Son/息子の叡福寺清子のレビュー・感想・評価

The Son/息子(2022年製作の映画)
3.4
本作はアメリカン・マチズモや家父長制度を批判した作品なのでしょうか.それとも,古代から連綿と繰り返される父と息子の不幸な物語と捉えればよろしいのでしょうか.こんばんわ.三遊亭呼延灼です.

上院議員選挙戦のブレーンとして招聘されるほどに有能な弁護士ピーターさん.奥様のベスさんとの間に,お子が産まれ幸せの絶頂にあります.そんなある日,前妻のケイトさんがご自宅を訪れます.『息子のニコラスの様子がおかしい』と.

いくら社会的評価が高く有能な人物であっても,いざ子供の事となると,そこらへんの親父と変わらねぇと言う事ですね,と嘆息した次第.しかもピーターさんは,『自分が父親を嫌いになった原因と同じ言葉を,今ニコラスに投げかけている』と問題を認識してらっしゃります.それでも,そんな言葉しか出てこないのは,おそらく地球が冷えて固まった時に発生した親子関係永遠相互理解不可能ガスが原因でございましょう.
しかも,家柄は二代続く裕福層.17歳の繊細な青年の心根を理解するなんざぁ,夢のまた夢.全てが終わってしまった後,ピーターは激しく後悔し,『もっとそばにいて理解してやれば』と嘆きますが,違いますよね.必要だったのは,息子ではなく医師の言葉を信じる事でしょうに.

そういやぁ,何年か前,テレビでキラキラネームを報道してたんで,かれんさんに『もし子供がいたら,なんて名前にしてました?』って軽く聴いたら,本気に怒った顔して『冗談でも子供が,みたいな話すんじゃねぇ.今度そんなくだらねぇ事聞いたら,速攻で歯が折れるまで殴る!!』って言われたんですよね.この私にも言えない辛いことがあったんだと思うと,それ以上何も言えませんでした.ノシ.
それとニコラぐらいまで入力したところで,ニコラス・ケイジを予測変換してくれるうちのPCをちょっと自慢したいです.