Yu

流浪の月のYuのネタバレレビュー・内容・結末

流浪の月(2022年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

文と更紗の関係性が死ぬほど羨ましい。こんな関係がこの世に存在するのかと疑ってしまう。羨ましい。

原作が大好きで、公開が決まったときからずっとずっとずっと楽しみにしていた。
更紗が広瀬すず、文が松坂桃李。完璧だと思った。
映画を観た時に、とても痩せた松坂桃李をみて、喋り方や動作がすべて文だと思った。


私の大好きな更紗の家族とのシーン、梨花ちゃんとのファミレスでのシーンはなかったけれど、監督は大人の更紗を多く描かないと映画ではまとめられないと思ったらしい。

でも私が一番だいすきな、更紗が叔母さんに「アイスクリームを食べたい」と伝えて断られ、でも文はそれをなんとも言わずにスッと出してくれたシーンはあって、そこでもうダメだった。
更紗がアイスクリームを食べながら、誰にも言えなかった深い苦しみを文に伝えた時に、文は何も言わずにスプーンを取りに行き、更紗の隣に座り、一緒にアイスクリームを食べる。ここがもうどうしようもなく好き。この場面の写真がほしい。

この映画は言葉や視線をとても大切にしていると思う。
けど、文と更紗って大した会話はしていない。
でもこの2人の関係性を、事件やトラウマ、障害や共依存云々で語りたくない。
それ以外の何かが、わたしには言葉にできないけれど、確かにある。

私はこの終わり方をハッピーエンドだと思っている。
流れる月のように、2人がこれからもどこかで幸せに過ごしていることを心底願っている。
Yu

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