白夜

流浪の月の白夜のネタバレレビュー・内容・結末

流浪の月(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

良かった。原作既読だけど、成功した実写化じゃないかと思う。ただ尻切れ蜻蛉なシーンがいくつかあったから、初めて観る人はどうなったの?って混乱しそう。
あとあからさまな性描写がちょっと嫌だったかな。原作にはなかったから余計にいらないと感じた。

松坂桃李の綺麗な顔立ちで文のあの感じを表現できるのかなと思っていたけど、いざ観たらモサッとしていて完全なる文で、おお…すげえ…となった。

別れのシーンがやっぱり好きだな。逃げてって必死に文のシャツを掴む更紗の手を取って、力強く握りしめる。焦っていた更紗も結局は強く握り返すけど、別れは避けられないのが切ないね〜〜…

リカとの3人生活が好きなのであったらいいな〜と思っていたけど(特に一緒の部屋にいる3人がそれぞれ別のことをするシーン)、やっぱり全部は入り切らないよね。全カットされていないだけよかった。

警察に乗り込まれてリカと離されたとき、それまで静かだった文が文!って自分を呼ぶリカの声で動き出して、必死に手を掴もうとして、でも引き離されて…の流れ、胸がいっぱいになった。あれはリカじゃなくて、あの日の更紗を重ねて見てたんだろうなと考えると、本当は文も更紗とずっと一緒にいたかったんだなあとか考えちゃって泣いた。

少年院を出て自宅で監視されてたときの、湖に浮かぶ文が印象的。あの日の更紗のように大の字に浮かんで、あの日の更紗の言う通りに月を見て、その後にボロボロ泣いてたのがつらかった。お互いがお互いの唯一無二なのに、上手くいかないもんなあ…

多部未華子の泣きの演技が凄かった。

「更紗は、更紗だけのものだ」がグッとくる。
白夜

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