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流浪の月のmatsuriのレビュー・感想・評価

流浪の月(2022年製作の映画)
4.7
原作が大好きな作品。
少しずつ原作と内容が変わっていたけれどあまり気にならなかったように思う。映画の仕上がり自体は原作よりもすっきりとした印象。映画化が決まったときは本当に大丈夫だろうか、、、と思ったけれど完全に思い過ごしだった。
とにかく沈静で美しい映像と、みんな何かしらを抱えている複雑な役柄を演じきったキャスト陣に魅せられる。音楽は心地よく、音楽ではない音もリアルで生き生きとしていた。

二人にとっての救いを、何も知らない人間たちの好奇や偽善によって破壊され、拒絶され、傷つけられながら生きていくということは、整わない呼吸でゆっくりと死を待つ絶望のように感じてあまりの悔しさや苦しさに泣きたくなった。
事実と真実は違うし、自分にとっての真実は誰かにとっての真実とは異なる。わたしの当たり前はあなたの当たり前では無い。温かいようで冷たくて、冷たいようで温かいこの感覚は、絶対に忘れちゃいけないなと思った。

しかしどうしても、更紗と文 二人の幸せを願わずにはいられない。
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