Siesta

ARGYLLE/アーガイルのSiestaのネタバレレビュー・内容・結末

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

マイフェイバリットアクション映画「キングスマン」のマシューヴォーン監督最新作。コレ、ポスター詐欺でしょ。完全にブライスダラス・ハワードとサム・ロックウェルのバディモノじゃん。ポスター三列の2人が主役。ヘンリー・カヴィルは特別出演というか“大物俳優”的なポジションでの出演というか。あと、アメコミ映画出演者多過ぎな。
今作の場合は、アクションだけでなく二転三転するストーリーも魅力。スパイ小説になぞらえた事件が起こっているというところから、小説家のエリーが狙われる。ただ、ここも最初はそれを悪の組織が真似しているとかではなく、ただただ一致しているから、小説の先の展開と同じことが起こるのだ、という意味不明さにん??となっていたが、実は…という展開。最初のシーンはアクションとかカメラ割りが絶妙にダサくて心配になったけど、小説の中の映像だからあえてそのバランスだったのか、と。電車の中でこうなるからこうしてね、という辺りは先日の「マダム・ウェブ」も重なる。謎のホテル?アパート?からログが記載されたノートを見つけて脱出。顔踏み潰すネタが伏線になるとは。都合良過ぎとはまさに。
そこからアルフィーも実在する人物であることが分かり、なんとエリーは記憶喪失のスパイで、小説に書かれている内容は事実を記載しているに過ぎないということが分かる。なんと親も心理学者と敵のボスで。洗脳イージー過ぎな。ここで、エリー改めレイチェルが敵の陰謀に立ち向かっていく。さはにレイチェルとエイダンが恋仲であったことが分かる。やっぱり、サム・ロックウェル良いよなぁ。美味しい役が来やすいってのあるんだろうけど、毎回見るたびに好きになる。冴えないおっさん感なんだけど良い奴っていう。今作もまさにそうで。しかもここからさらに二転三転していく。レイチェルは実は二重スパイで悪の組織の人間だったと。心臓の隙間ってなんや?とも思うけど、なんやかんやでエイダンは死なず。敵に目覚めたふりしてデータを送ろうとして失敗。そこから脱出という。レイチェルは、二重スパイに嫌気がさしていて、辞めようとしていたのが本当だと。彼女にはエリーの善の心あると。表情でエリーとレイチェルが分かるのも見事よなぁ。そして、今作の大きな見どころでもあるカラフルなスモークを焚いてのガンアクション。2人の連携プレーはまぁ「Mr.&Mrs.スミス」。既視感はあるかな。まぁある程度はダサさ込みで意図的なんだろうけど。だから、個人的にはその後のスケートナイフアクションの方が断然好き。原油で黒く滑りやすい床でスケートが得意なレイチェルがナイフで皆殺しにしていくここが最高。ジャンプにスピン、低い姿勢で滑りながら流れるように切っていくのが痛快で気持ち良い。出血はないからややマイルドだけど、マシュー・ヴォーンに求めるのはこういうフレッシュなアクション。ラストもデータを送れる?いや、「Now And Then」の洗脳。洗脳がイージー過ぎて笑える。でも、今までもこれからも愛しているというまさに「Now And Then」の愛の言葉でレイチェルに手を出さないエイダンとの思い出が記憶としてブラッシュバックして、目を覚ます。最後の戦艦の爆破はド派手だったな。
ただ、ド派手なアクションはたしかに見応えもあるし楽しいけれど、「キングスマン」1作目、2作目のような刺激とスタイリッシュさはあんまり感じなくて。個人的には「キングスマン」3作目もあんまり乗れなくて、今作もやっぱり刺激が足らなくて。不謹慎なくらいな大仰さとかキレがなくなって、普通のアクションになっちゃったというか。「キングスマン」のバーでのファイト、教会での大殺戮、威風堂々の花火爆発、2作目での人間ミキサーといったあの刺激を知ってしまっているから、どうしても物足りなくなってしまう。「キングスマン ファースト・エージェント」よりは好きだけど、R指定もないから出血もなかったりややマイルドな仕上がりの印象は拭えないかなあ。
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