ロアー

ミラベルと魔法だらけの家のロアーのレビュー・感想・評価

ミラベルと魔法だらけの家(2021年製作の映画)
3.8
私ほどボロ泣きするのはちょっと異常だという自覚はあるものの、完全にツボに入ってしまって名曲過ぎるエンディングにも追い泣きしてしまって、涙と鼻水でえらいことになって、観終わってすぐにトイレに駆け込む羽目になりました(盛大に鼻を噛みつつ、ちゃっかり用も足しました)。

おい何なんだ最近のディズニーはっ!「ラーヤ」でもわりと泣かされたけど、今回、その倍じゃ済まないほど泣かされたぞ!この調子で毎年涙の量を増やして行って、ついには涙のジャブジャブ池で私を溺らせる気かっ!

いやだって、若干うるっときた危ういシーンもありつつ、最初は良かったんです。最初は。
「アナ雪」以来の本格的なミュージカル作品が来る予感にワクワクしながら観に行って、冒頭からラテンのリズムと共にわ〜っと押し寄せる疾走感に大興奮で。

リン=マニュエル・ミランダの音楽だけあって、予習でサントラを聴いた時から1曲1曲の完成度も高いなと思っていて、いい意味でディズニーらしくない曲だったり、リンお得意のラップが混ぜ込まれていたりと、ディズニーの世界に新しい風が吹いてくるのを感じたんですよね。

「アナ雪」が「ウィキッド」的ミュージカルなら「ミラベル」は「イン・ザ・ハイツ」的なミュージカル。そのまんまじゃん!ってツッコミは甘んじて受けます。でも本それなので分かりみ下さい。

それぞれの悩みを打ち明ける曲があったりと、構成はホントめっちゃ舞台的なミュージカル。かつ、ディズニーマジックによりハラハラする冒険ものにもなっていて、これは、舞台にしたらブロードウェイ版「アラジン」並みに更に大化けする作品に違いありません。

でも、アニメだからこそできる映像表現もめちゃくちゃきれいでした。
咲き乱れるお花や魔法の演出はもちろんのこと、ふわふわした髪のやわらかそうな弾力、刺繍糸の1本1本、光の優しいまたたき、触った時の感触まで伝わってくるような現実以上にリアルで美しい映像に目を奪われるしかありません。アニメはもはや、とんでもないところまで来てしまった。

そして、私をボロ泣きさせた普遍のテーマ、家族。

兄弟姉妹のいる人。
人より秀でた才能を持つ人、持たない人。
人と自分を比べてつい自分が嫌になってしまう人。
もはや満遍なく刺さるのでは?

家族だからこそキツく当たってしまうことや、家族だからこそ許せないことってあると思うし、反対に家族の言葉だからこそ傷ついたり、家族だからこそ認めて欲しいと強く願う気持ちもあると思う。
どちらの立場も、何故そんな強い感情を家族相手にぶつけてしまうのか、その裏にある本当の気持ちを思い出してみて欲しい・・・そんな簡単なようでとても深いメッセージに感動して、もう涙がボロボロと。

そんな状態で、あのエンディングの曲を聴いて完全にノックアウトです。目じゃないところからも水が(マスクがあって良かった)。

ネタバレになりかねないので歌詞は書かないけど映画のメッセージをまんま歌っている曲で、そんなのもう泣くしかないでしょ。名曲過ぎたので、これは歌詞を覚えて自分でも歌ってみたいです。
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