このレビューはネタバレを含みます
冒頭は、ゲームのフィンチ家のような話なのかと思ったり....建物にヒビが入ってる事に危機を感じて向き合ってるのがミラベルしかいない状況が、ジョージア映画の『青い山/本当らしくない本当の話』ぽいなと思ったり。
物語を進める内に内容はまた思ってたのと違ってくる。
故郷を偉く大切にする精神というのは、日本にもあるとは思うけど他国に比べるとこういう故郷大切物語は少ないんかなと思っている。邦画殆ど見てないから何も言えんけど。
さまざまな国の歴史の中で起きる亡命や強制移住、その際に家を燃やされたり迫害されたりだとかの歴史は、人を家や故郷というものに非常に固執しやすくさせる。
この物語はディズニーなので分かりやすく端的に分かりやすく、スルスルと進んでいく話だったけどもっと話を長くしようとすれば出来るような、重厚な物語になると思った。
おばあちゃんがあまりにもミラベルやブルーノを酷い扱いするな〜と思うけどそれは夫と自分と自分の子供が故郷から出なければならなかった理由と悲惨な出来事を、どれだけトラウマだったか考えるとまあ過敏にもなるか...という感じ。
何よりコロンビア音楽が非常に良い。ラップ調だったりPOPミュージックぽいところも取り入れつつ地元感を出してるのがよかった。
あとこういう狭い地域コミュニティでの結婚がどうのこうの子供は何人で〜とかいうのが当たり前な感じの世界線で書かれてたし割とリアルなんやろうけど、イザベラがそういう概念をぶっ壊してくれる存在になりそうな感じに新しい光が見えた。
あとルイーサがピアノを運べなくてヤケクソ泣きするシーンは面白可愛くて好き。
ブルーノの細かい変な癖が出るものをコンコンやるモーションとか、祝いの花火が上がった時耳を塞ぐドロレスのモーションとか細かくてかなり好きだった。ブルーノが自分用の皿を壁隔てて食卓近くに置いてる(描いてあった)のをミラベルが見つけるシーンはなんか自分には悲しすぎた。
まあ兎に角超絶久々にディズニー系のアニメーションを見たからか感銘を受けた。
もう一つ好きな要素としては、家が意思を持っているということ。カシータは一体どういう存在なのか予想は出来たとしてもよくわからないし、謎だけど、ミラベルと常に共にあった感じがよかったし、なんなら最後はミラベルが家(カシータ)そのものだった気もした。
権力関係がはっきりしてたマドリガル家が破壌する事によってみんな全く同じ価値を持った人間ということにやっと気がつくというやばい話とも言える。魔法を持ったことがないので、そういう家系のことはよくわからないけど。
てかアントニオが動物との会話が可能な能力で部屋があんなにジャングルみたいで広いんやったら他の人はどんな部屋なんだ一体...能力別で部屋の内容変わるやろうから気になるんですけど。
結論
結構泣いた。
追記
ミラベルは将来おばあちゃんと同じ立ち位置に立つ子なんだわ恐らく。わからんけど。おばあちゃんの能力は故郷そのものを生み出した能力で、ミラベルもきっと似たような力を持ってるんじゃないかな。