anguish

ブルー・バイユーのanguishのレビュー・感想・評価

ブルー・バイユー(2021年製作の映画)
3.4
不思議だね、生まれる事に許可は要らないのに、そこで生きる事に許可が要る…誰の?だったら生まれる前に教えてよ。

○善人ではないアントニオに感情移入出来るかで物語の質が変わってきます。アリシア・ヴィキャンデル目当てと、某サイト54/100 韓国から3歳の時にアメリカの夫婦に養子に出されたアントニオ・ルブラン(ジャスティン・チョン)は此処で育ちシングルマザーのキャシーと連れ子のジェシー(シドニー・コワルスケ)の3人とお腹にいるわが子と…決して豊かではないがタトゥーアーティストとして働き、慎ましく暮らしていた。些細なことでトラブルに見舞われアントニオは過去の手続きで不備があり市民権はなく韓国へ強制送還するという決定を下された。

話は横道に逸れるのでこの作品の持つテーマがぶれている印象を持ちます。自業自得と思えてしまう側面もありますが、自身の抗えない傷と家族との絆、真面目に生きようとしても昔の行いが追いかけて来て負のスパイラルに陥る。ラストシークエンスにこの映画の「訴え掛ける」全てが詰まっているのではないでしょうか。この話は終わっている昔話ではなく今も現在進行形なのです。

20220702-22(160)
anguish

anguish