どうたく66

ブルー・バイユーのどうたく66のネタバレレビュー・内容・結末

ブルー・バイユー(2021年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

子供の時に他国からアメリカに養子縁組され、手続きの間違いから大人になって国外追放される。そのような養子縁組のケースは何万人といるらしい。

この映画の主人公は3歳の時に韓国かはアメリカに養子縁組され、シングルマザーと結婚して幸せな家庭を築いているが、ひょんなトラブルから逮捕され、逮捕によって市民権を持っていないことが判明し、国外に強制送還される裁判が開始される。市民権はなくても実生活はあるわけで、恋愛や家族をもつ営みの中で当然離れられない人間関係も出来る。しかも3歳で韓国から出てきているので、当然韓国に生活基盤もない。

国家の法律とシステムの間に落ちた人間に対する、システムの冷たさ、非人間性、恐ろしさが垣間見える、または本性を現すときだ。

そのような社会問題を素晴らしいエンターテイメントに仕上げた映画。韓国系アメリカ人の監督、主演とのことだが、主演の俳優が作り出す、人の良さそうな雰囲気が素晴らしい。監督としても俳優としても素晴らしい才能を持った人だ。

最後の妻の連れ子が空港で行かないでと叫ぶシーンは涙なしには観れない。

しかしこれは他国の事だと思っては行けないと思う。日本はアメリカよりもっと排他的な移民政策をとっていて、移民2世の強制送還などはもっと深刻な社会問題を引き起こしている。
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