ゆず

サマーゴーストのゆずのレビュー・感想・評価

サマーゴースト(2021年製作の映画)
2.0
乙一さんが昔からずっと好きで、安達寛高の名義で脚本を手掛けたと知り視聴しました。
乙一さんは短編が得意ですし、内容もミステリっぽい(タイトルが特に)ということでワクワクしながら鑑賞したのですが……。

40分だから登場人物の掘り下げが甘いのは仕方ないとして、サマーゴーストという舞台装置にキャラクターが踊らされているだけな気がして、始終興醒めでした。

そもそもこの作品はミステリではなくファンタジーなのです。
だからサマーゴーストもとい絢音の体探しに重点は置いてなくて、そこに工夫や謎解きのカタルシスはない。
ただ、体探しという過程で若者たちが変質していくさまを描いた作品なのですね。

それなのに肝心のキャラの掘り下げが甘いもんだから、何一つ共感や理解が追いつかないままエンディングを迎えました。

何がこのモヤっとの原因なのかとしばらく頭を傾げていましたが、1番は絢音でしょうか。
絢音はサマーゴーストという物語のキーパーソンであるはずなのに、彼女の人となりやその感情はほぼ語られないのです。

彼女の最後もなんかイマイチだし、もはやこのキャラクターいらないんじゃ?とさえ思ってしまいました。

サマーゴーストとは結局なんだったのか。
なぜ花火をしている時にだけ現れるのか。
そのあたりの考察が進めばもう少し評価も変わりそうです。
ゆず

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