ネノメタル

極道系Vチューバー達磨のネノメタルのネタバレレビュー・内容・結末

極道系Vチューバー達磨(2021年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

Ⅰ.総評
前評判というか、事前に見たダンスのvideoであるとか、SNS等で発表されるメイキングで垣間見るヴィジュアルイメージなどから「極道系893がYouTubeを始めたよ!」的な当たり障りのない思いっきりコミカルに振り切った話かと思いきや、任侠の世界で生きるガチの893が自己に向き合い、仁義を尽くしつつ動画配信を一体始めたらどうなるのだろうか、というリアリティ要素も確かにあって、途中のめちゃくちゃシリアスな展開には圧倒されてしまった。
言わばふつうのラーメンを食べに行った所、豚の丸焼きから始めてそこから焼豚を出してくれたり麺は刀でシャッシャッシャッと削り出すパフォーマンスがあったりスープは大鍋で鶏ガラ豚骨だ煮込んだ本格的なものだったりディテールがガチ過ぎて驚いたみたいなそんなエクストリームな展開(わかりにくいわw)

このシリアスとコミカルのバランスは、シリアス7割コミカル3割ぐらいの絶妙な感じで個人的にはコミカルすぎるのは見てて疲れるので丁度いいバランス。でもこういうバランスを成立できるのは他ならぬ、あの主演・海道力也氏の力量に他なるまい。
何せあの方は、主演作『どすエモン』にて、元ネタ周辺に一瞬すら気づかれたらヤバイだろ的に何故か観る側の我々がヒヤヒヤしながら謎のスリル感に苛まれながらも、主人公の邪悪さ・下劣さが半端なさすぎて寧ろ客席を爆笑させつつも、どこかしら主人公から滲み出るピュアさとを両立できるほどの怪優だ。だって初めてお会いした時「あなたはTwitterのお友達になって頂いてますか?」だと。
なぬ、おともだち???なんと可愛らしい響きよ!!!
でもあのコワモテから発せられる「おともだち」なる響きを発するこのギャップ、、、これこそ彼の魅力なんだろうと妙に感心したものだったのも事実で。
こんな人見た事ないよ、マジで。

あとは、いろんなキャストがいるなかでもヒロイン・鈴木まゆの役は無茶苦茶切れ味のある役で完全に釘付けだった。で、その鈴木さんがツイートしていた通り「濃いキャラ達がごったがえしててうるさい。」との事だったんだが、確かにそれは否定はできない。
でもこの作品裏を返せば、濃いキャラ全員ということは海外のアメコミヒーローものばりに「全キャラ・フィギュア化可能」だとも言えるわけで、仮に海道さんのフィギュア絶対売れそうですな(達磨仕様にもなったりして...)
さあ、figmaさんあたり目を付けてくれないだろうか、とか本気で思ったりして(笑) 

Ⅱ正直に言いまーす!
で、残念だった点も上げとくと2点で
一つは『コケシ・セレナーデ』のスピンオフ的にあのこけしコレクターの桜井さんの奥さん役、桜井萌々花がYouTuber(Vtuber)として出るとの事だったんだけど、全くそんなYoutuber感はなくて単なる通りすがりの人みたいな印象しかなかった点。
もう一つはあと全体的に任侠ものとしてはしっかりどっしりど迫力だったんだけどネット界隈の描写が非常に陳腐な印象があった点。
そこには視聴者も2、3人ぐらいしか映らなかったし炎上してる場面でも本当に炎上してるのかどうか、任侠に比べネットにおけるリアリティが個人的にはよくわからなかった、というのが正直な感想である。
とはいえ、本作を見たのが7月末の海道力也映画祭での修正の余地のある「特別公開」的なスタンスだとの事だったので、いずれ本格公開になればこの辺りもっとしっかりreviseしてバランスの良い作品に仕上がる事だろうなと期待している。

気になった点はその二点だけで、再鑑賞の価値も十分にある見応えのある作品。
いや、再鑑賞どころか5回は観るね(笑)

海道さん、、いや達磨さんたちにまた会いましょう!
と言いたい。