ラブストーリーかと思ったら心身共に傷を負った消防士の苦悩の物語だった。実話からインスパイアされたドラマらしい。
「困難を乗り越えようとする人や乗り越えた人に捧ぐ話」ってわかる気がする。
頑張れ、前を向け、乗り越えろetcのようにポジティブを押し付けないし美化しないのが現実的。
ピエール・ニネ、アナイス・ドゥムースティエ共演、夫婦役。
消防士のお仕事ドラマのような序盤。災害や事故から人々を救い出すのが仕事のはずが自身が事故にあってしまったら……
けっこうツラい話。ここで描かれるのはヒーローではなく、ハラハラドキドキの救出劇でもない。
一瞬の判断とそれに伴う出来事によって人生がガラッと変わってしまった人の苦しみ。
しかも、彼は父に捨てられた過去あり。妻が支えてくれるだけまだよかったとも言いきれないぐらい精神的に落ち込み身体的にもダメージを受け、彼の中でよからぬ考えが巡っているんじゃないかと悪い意味でヒヤヒヤした。
かつてのように生活できない苛立ち、外見的変化、子供が泣くのは仕方ないが、ただでさえ変わってしまった姿に落ち込んでるのにあれはこたえるだろうな……
支える妻の態度も綺麗事だけではなく、自身の本心に悩む。
それでも生きていく。ギクシャクしてしまってもまたやり直せる。無理せずゆっくり歩んでいけばいいと思う。彼が自らそう思うことができたからよかったんだろう。
ビエール・ニネの演技もリアルだったな……
