2023年の7月に76歳で亡くなったジェーン・バーキン。大女優であり、ファッションアイコンでもあった彼女を娘のシャルロット・ゲンズブールが撮ったドキュメンタリー作品。
父セルジュと離婚後も良好な関係にあったが、姉のケイトの自死以降、二人の間には微妙な距離ができてしまったという。
ドキュメンタリーを撮るという理由にかこつけて、母親の本当の気持ちを知りたいというのが本作を制作するきっかけだったと後にシャルロットが明かしているが、作品の前半ではそれを証明するように画面から二人のぎこちなさが伝わってくる。
心を閉ざしていたジェーンが、孫娘も含めた家族でセルジュの生前の家を訪れ、同じ時間を共有し、語り合うことで、徐々に本来の絆を取り戻していく様子は感動的だった。
また、家族間のこうしたセンシティブな問題を作品という形に残したシャルロットのプロ根性にも深く感服した。