けーはち

ブレードランナー ファイナル・カットのけーはちのレビュー・感想・評価

3.8
公開後評価が伸びて何度も作り直され最終版に至る本作。浮世離れした神殿のような大企業のビルが屹立する天上世界、下には酸性雨が降り注ぎ、多国籍文化・言語が飛び交い、極彩色に照らされるネオン街、青緑色の退廃が横たわる。時代を超えた精細な特撮映像、音響や美術、映像美が印象的な不朽の名作。公開版からは特撮のブラッシュアップ以外に説明的すぎるナレーションの削除やエンディングの差し替え等の差異があるが、とりわけ「ユニコーンの夢」が大きく物語の根幹に関わる。続編の2049で改めて総決算されたが、「人間とは?」的なSFマインドが横溢し、結局はフワッとしている部分があるにはあるがそれが解釈の余地を広げているとも言える、サイバーパンクSF映画の金字塔。