観る前はリドスコのこの路線のやつかと、確かに楽しみには違いないけど中世を舞台にした西洋的インテリ価値観の揺さぶりショーをはたしてどこまでそこに馴染みの無い自分が汲み取れるかな、まあ程々かな、と若干油断して映像美を楽しめればいいかなぐらいでいました。
いざ観てみると今作られるべき時代性を帯びた傑作でした。
ベンアフとマッデモの脚本家としての仕事っぷりはもちろんですが、役どころとしても本当ベストな演技だったんですよね〜。
言ってしまえば"#Me to"の最新版みたいなものですが、近年の流れで何が問題で何が蔑ろにされて何を男性側が履き違えているのかが、男女問わず誰が観ても分かるようになっているのがうまい脚本と映像の見せ方だと思いました。
しかも映画として最後までスリリングで美しくて、決闘シーンの息をのむリアリティも凄くて、全部に説得力を持たす役者陣の演技のうまさ、さすがでした。