キットフィストーカッコイイ

最後の決闘裁判のキットフィストーカッコイイのネタバレレビュー・内容・結末

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます


自分はリドリースコット監督の作品は今まで名作どころをさらっと見てきたタイプです。
今作のことも特に調べず
時代背景も全くの無知識の状態で鑑賞しました。

何も知らなかったので第一章ではマット・デイモンとベン・アフレック良い役柄取ったんやな〜となんとなく冷めた状態でしたが。
話しがどんどん進むにつれて、引き込まれていきクライマックスの決闘シーンは目を見開き歯を食いしばり続けてしまい、このレビュー書いている今現在もなお顎が痛いです。

いろいろな考えが交錯しておりますが
カルージュとル・グリが脳内歴史改変をして、都合の良い記憶を残しておくというのが印象に残り非常に恐怖でした。細かい部分でル・グリがマルグリットを追い込んでいくシーンの靴の脱げ方も若干違いましたよね?
最初の戦闘シーンもお互い命の恩人の様になっているし、

個人的な話しですが自分の父親がいわゆるパターナリズム&歴史改変する系の人間であるためか見ていてきつかったです。
映画は700年前の話しでありますが現在起きているトラブルのほとんどがこれと同じだと思います。
気づいていないだけで自分も記憶を良い様に書き換えている気がしてゾッとしました。
それだけでも色々と不快ですがこの映画は追い討ちをかけてきます。

現代でも通ずるテーマからその時代の異常さへ流れ込んでいくことで私は非常に混乱しました。
実はさっきまで中世の服を着ただけのドロドロ胸糞昼ドラだったのが絶頂しなくては子は授からないとか言われる異世界にひきづり込まれたような感覚でした。

ラストの決闘間際では友達に裏切られ、判事たちに不快すぎる質問攻めを受けるマルグリット。をあ〜めんどくさいと決闘しよ〜と倫理もクソもない王。

決闘の最中は登場したキャラクターたちが様々な思いで見守る中、群衆はその裁判の行方よりもどちらかが死ぬことを楽しんでいる。
カオス極まりない。。
王妃だけがこの状態に疑問視しているがもちろんなす術なし。

それ以外でもたくさんの伏線が絡み合っていてどんだけ上手い脚本なんだと驚きです。
・文学に熟しているル・グリがカルージュを言葉で茶化す
・馬が発情しいきなり交尾する
・それぞれのキス

羅生門との繋がりの部分で、羅生門の方ではへっぴり腰で戦っていたので今作はしっかり決闘だったな〜笑

最後に疑問なのですが、マルグリットが襲われたときに時に義母が屋敷の人間を全員連れて留守にしてましたが、あれはたまたまだったんですかね。。。