ペイン

最後の決闘裁判のペインのレビュー・感想・評価

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
4.3
リドリー・スコット御大83歳お元気で何より、という安堵感にまず包まれる1本(※80歳を超えた今も尚、格闘系ジムに通う超肉体派)。

10年代以降のリドスコ作品では流石に『プロメテウス』『悪の法則』程のうすらヤバさはないけれど、こちらは中世騎士映画としてきっちり万人に勧められる見応えと眼福さがある力作(※衣装・美術のレベルの高さは勿論、俳優陣の華と、全編ほぼ自然光で撮られた終始薄暗くも重厚な画の強度と決闘の迫力)。

脚本は2017年からのMeTooムーブメントの中で株を下げてしまったマット・デイモンとベン・アフレックが書いたものだが、“おい!ちょっと待て!お前らそんなんじゃダメだ!”と渇を入れるが如く『ある女流作家の罪と罰』で知られる脚本家ニコール・ホロフセナーさん(女性)の手直しが入り、ブラッシュアップされたことによってか更なる説得力が。

『羅生門』よろしく3者の視点から同じような話が3回繰り返されるわけだけれど(ここで少々退屈と感じてしまうのもわからなくはない)、特にジョディ・カマー視点の3幕目が素晴らしい。




P.S.
・マット・デイモンは太ったなぁ。

・ヒース・レジャーのアイドル映画『ROCK YOU!』なんかを一瞬思い出す。

・裁判官たちのヒロインへの尋問の仕方にゾッとする。

・あともしリドスコ先生は本作が遺作、あるいは引退作になっていたらDuellist(決闘者)で始まりThe Last Duel(最後の決闘裁判)でキャリアを綺麗に締め括れたのだなぁとか思ったりもしたが、グッチ家を描く新作も来年1月に控えているし、まだまだ映画作る予定みたいなのでお元気で何より。
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