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最後の決闘裁判のsatooommのネタバレレビュー・内容・結末

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

はぁー…という重い感想。でも、とても良いものを見た、確実に。

すでに多くの人が語っているけど、こんなふうに女性が蔑ろにされてることは現代でもまだまだあるし、「守ってやったぜ」男が女の味方をしながら、自分のマチズモを振りかざすなんてのもよく見る。なんなら、命をかけてそれやってただけ中世のがマシなんじゃないかと思うほど(いや、これは言い過ぎってわかってる)。

でもそれだけじゃなくて。
個人的には自分の側の弱点みたいなものを突きつけられた。そして映画を見た後とっても揺れた。
私は前情報なしで見始めたけど、すぐに夫には嫌悪感を覚えた。
だけど、途中まで(本当にちょっとの間だけど)ル・グリには希望を抱いちゃってた。こっちの人はいい人なのかなって。
いるんだ、インテリマッチョ。私は実生活でもこいつらに負けがちなんだ。肉体派マッチョの危険はすぐ察知できるのに。

そういう意味で、自分の脆弱さとか偏りとかをまんまと突かれた作品だったから。こういう作品は本当に見て良かったなとおもう。

一方でこの作品は羅生門形式とはいえ、「真実」が一つ示されて、それは被害者マルグリットの視点から構成された現実となっている。
これはどうなのかなー。いや、わかる。歴史検証は綿密になされているようだし、被害者を疑問視する視点が入ると作りにくいのはわかるんだけど(私もそれに賛成はしないんだけど)。
そこはグッと耐えて、その難しさも込みで映画化することって無理なのかなーとなる観客の勝手な気持ち。

面白かったから原作をこれから読んでみます。
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