たまち

最後の決闘裁判のたまちのネタバレレビュー・内容・結末

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

・テーマ的に非常に難しいと思った。
中世版羅生門、抑圧された時代に立ち上がった女性…という近年よく見るテーマの触れ込みだったが、蓋を開けてみると決闘までは望んだことではないので尻すぼみな感じ。また羅生門ほど全員の見解も違わず、そこまで時間をかけて描く必要があったのか…?
とはいえ今の時勢で「女性が冤罪を作る」という演出はだめだろうし。


・決闘から始まる回想シーン、格好良い!


・わからなかったのはマリアの行動。話を聞くときにちょっと笑っているようにも見えたし…マルグリットに嫉妬や思うところあったのだろうか。マルグリットを責める母のシーンも短く、うまいバランスだと思った。



・マルグリットがやはり凄い。見るたびにちゃんと印象が違う。カルージュやル・グリからはぼんやりした綺麗な女の子、本人のチャプターではきちんと自分の意見を持ち領主夫人として政もやっている。
ただ特に後半は全然表情が見えず、ミステリアスに映った。もしかしたら含みがあったのかもしれない?
そしてとにかく美しかった!ウェーブの豊かな金髪は伝説のグィネヴィア妃のよう。

・流石のリドリー・スコットの丁寧な戦い描写。
一騎打ちも、当然ながら現代人と変わらず人と人の戦いで、技巧なんかなくただぶん殴り刺しまくるだけ。現代の感覚だと、なぜ誰もやめようと言い出さないのか?と思うほど悲壮。

・女性の演技が細やかにカットインされていてよかった。物見ではしゃぐ王を横目に心を痛めるイサベル、心配そうなカルージュの母。

長かったので分割してみちゃったけど適度にドキドキして面白かった。
たまち

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