このレビューはネタバレを含みます
物語が進む度にお前も屑やんけ、という登場人物が増えていく。三つの話が折り重なり真実がみえてくるという仕立てはとても面白い。
一つだけ違和感がかあるとしたら、他の登場人物は全員時代相応っぽい思考なのにマルグリッドがあまりに現代女性すぎるところか。
あの時代でかつ、ピエールが判事の状態で女性が強姦されたことを証明して罪に問うとしたら、ジャンのやり方しかなかっただろう事は想像に難くない。ジャンは自らのプライドもあったにせよ+α妻の名誉回復も含めて命をかけて戦うのに、いざ自分も死ぬとわかったら手のひら返しすぎるやろと感じた。
しかも14世紀に領主と言えど文字が読めて、数字も扱えるぐらい聡明な女性という設定なのに、女が偽証とされたら死ぬ、ぐらいイメージしやすい事をしらないのも無理あるなぁと。
妊娠を知らずに名誉のために死のリスクを受け入れて告発し、妊娠がわかって後悔するけど子供が母と父を失うということを避けるために、複雑な気持ちでジャンの勝利を願う。みたいな感じの方が個人的にはよかった。
ほんとにせめて最後ジャンが勝ってくれたことだけが救い。