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カード・カウンターのwoosのレビュー・感想・評価

カード・カウンター(2021年製作の映画)
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ヒューマントラストシネマ渋谷にて字幕版を鑑賞。
2023年新作劇場鑑賞46作目。
客席はほぼ満席。
テーマ「愛を知る」

[全体として]
前作『魂のゆくえ』もなかなかヘビーな内容だったが、ポール・シュレイダー監督作品はだいたい同じような話なので今回もズーンと来る映画だった。
お話的には主人公のブラックジャックの勝ち方「カードカウンター」の説明から始まる。何の罪か、収監されていた刑務所で覚えたトランプの技を駆使し、アメリカ各地のカジノを転々と目立たず「小さく賭けて小さく勝つ」をモットーに生活をしている。とはいえ必ず勝って終わっている男は多少目立つのでギャンブラーの投資支援をしているラ・リンダという女性に投資を持ちかけられるが断っていた。
ある日、自分が収監される原因となった男がセキュリティ関係のの公演を行っているのを目にし、その講演を聞きに行く。途中で帰ろうとするとある青年が話しかけてくる。話を聞くと主人公と同じように父親がその男によって人生を狂わされた青年と出会い、男に復習を誓っている。しかし復習はやめるよう言い聞かせるが青年の決意は揺らがない。そこでその青年を助けるべく自分に課した禁を破りポーカーの大きな大会へ出場する。という感じの話。

[良かったところ]
スターウォーズのポー・ダメロン役で知られるオスカー・アイザックのシリアスな演技はかなり良かった。元々個人的に「丁寧に暮らすおじさん描写」が好きなのだが、神経症的な主人公が毎回泊まる部屋に施すある行動や、夢でフラッシュバックする描写など多くを語らずとも、なぜ主人公がそうなってしまったのかがすんなりわかる表現が前半多用されていて、全体を通して静かな映画ではあるが彼の内面が右往左往する様はとてものめり込んでしまう内容だった。
音楽も必要最小限の形が取られているが、印象的な箇所でとても刺激的に使われている。

[気になったところ]
そんなふうには見えないが、結構情報量が多い映画なので集中して観ていないとおいていかれる気がする。
まあ監督名見て判断したほうがいいと思うが、ギャンブルの映画って結構派手目な映画が多いのでそういう感じをイメージして観に行ったあなたはきっと面食らうだろう。寝ちゃうかもしれない。

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すごく質が高くてめちゃくちゃ好きな映画でした。
オススメです。
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