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カード・カウンターのMUのレビュー・感想・評価

カード・カウンター(2021年製作の映画)
4.3
どう考えても万人におすすめできる映画ではない(アブグレイブ捕虜収容所の描写は目を覆いたくなるようなシーンばかりで心が弱い人、メンタルが安定しない人は絶対に観ないことをおすすめしたい)映画ではあるが、アート作品としては一見に値する出来だった。

どこか『タクシードライバー』を思い起こさせるような作品だと思ったら、やっぱり脚本ポール・シュレイダー×製作マーティン・スコセッシのコンビの作品だった。『タクシードライバー』はベトナム戦争で今作はイラク戦争でどちらも戦争で心に傷を負った帰還兵の話。

ホアキン・フェニックス主演の『ジョーカー』を観た時と同じようにどこにもぶつけようもない、何とも表現するのが難しい感情だけが残った。平和ボケした現代人の眼を覚ます劇薬のような作品であることは間違いない。
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